前職でのこと。自分でもできることを、私にばかり任せてくる男性がいました。
疑問でした。やることがたくさんありすぎて、細かい作業は私に投げればいいや、と思っているのだろうか?彼の頼み方や口調を観察していると、そういう風にしか思えませんでした。
その男性の仕事ぶりについて、他の人たちも頭を抱えていました。
何もかもが雑。投げやりな仕事の仕方…と周囲の人も私と同じ気持ちだったようです。
女性上司から指摘されても「どこ吹く風」で、自分の考え方を主張し続け、最後は突拍子もないことを言って、その話を終わらせていました。
彼が休みの日に、彼が担当していた取引先から「今日まで納品」だと連絡が入りました。
女性上司は慌てて、メールで連絡。「納品急ぐということなので、早く連絡してあげて」
すると、彼からはこんな返事が。
「こっちだって子育てしながらやってるの。その話は明日出社してからにして」。
CCで彼からの返信をほぼ同時に読んだほかのメンバーも唖然。
まるでとんちんかん。「どういうこと?」とみんなで首をかしげました。
「いつものことだよ、ね」とその件では上司も諦め…
数日後、始業時間に彼からメールを受信。そこには
「子供を病院に連れて行くので、遅れます」と書かれていました。
それで、私ははたと気づいたわけです。彼の仕事の仕方が雑だった理由が。
共働きで、彼は奥さんから育児を任されてるのだな、と。
だから、会社に来たら「どれだけ余計な仕事をほかの人に任せ、育児のためのエネルギーを残しておくか」考えてるのだな、と。
彼にとっては、育児のほうに比重がかかっているのだな、と。
もちろん、だからといって、会社の仕事を雑にやっていいわけではないですが。
きっと、周囲が彼に注意していたとき、彼が心の中で思っていたのは
「こっちは育児もしてるんだから、そんなにやってられない」でしょうね。
でも、彼の中で思っていたとしても、周囲にそれを口に出して伝えていなかったら、
周囲だって理解できない。
周囲も彼が育児を任されているなんて知らないから、「どうして〇〇してくれない?
」「これぐらいやって当たり前じゃない」と、彼に余計な期待をかけ、指摘を超えて批判するだけになってしまう。
「言えばいいのに!」と私は思いました。
職場でプライベートなことを持ち込んではいけない。。という暗黙のルールに縛られすぎ。言わない伝えないことで、お互いの印象を悪くし、無駄な怒りを抱えてる。
と。
子育ても完璧に、仕事も完璧に。一人の力でどっちも同じエネルギーを注ぐのは無理。シングルファザー、シングルマザーが増えているので、両立させようと奮闘している人たちも多いはず。
どう思われるか気にしてないで、事情を話しておいたほうがいい。
周囲にどう思われるのかが怖いのかもしれないけれど。
どうして子供を育てるのに、会社に迷惑かけるからと大変な思いを隠そうとするのか?
話しても、理解が得られない場合もあるでしょう。
でも、そのときはそのときに考えればいいと思います。
私は子育てはしてないけれど、プライベートで仕事に差しさわりそうなことは話します。
「父の介護をしている母がいて、看病も6年目に突入し疲れが出る頃なので、
何かあったら時々帰省させていただくかもしれません」と。
意外に上司も周囲も事情を理解してくれるものです。
それによって、実は上司も他の「誰」「誰」さんも、そうだったという事実がわかったり。
言うだけでも、心の負担は減るんです。
ここ以外の職場でも、特に介護は秘密にしている人が多かったです。
その人が会社を辞めるときに、初めて事情がわかる。。という。
言ってしまえば、実は社内に同じ人がいるかもしれない。
「教えてくれてありがとう、実は私も同じ状況よ」という同僚や上司など。
上層部も「社内には、そんなに介護しながら出勤している社員がいるのか!」と
知れば、会社での働き方を見直そうと動き始めてくれるかもしれない。
たとえ上層部が「じゃあおやめください」と言ったとしても、
今は超高齢化社会で介護も他人事ではなくなっているなか、
時代の流れを読めずそういう答えしかできないのなら、
その会社はいずれ人材不足で悩むことになるわけです。
社会や会社、周囲に動いてもらいたいなら、まずは自ら言う!のが大事だと。
自分が言えば、同じ状況で悩んでいる人も声をあげられる。
たとえ結果がどうであっても、言うことで自分の心と同僚の心は救える。
そう思います。
育児をしながら介護をしながら働くことに、罪悪感を抱く必要はない。
だって人生の半分の時間を会社に労力として捧げているわけですから。
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