『パパの電話を待ちながら』。
イタリアの児童文学作家、ジャンニ・ロダーリの短編集で、どれも素敵なお話ばかり。
大人もいつのまにか引き込まれ、想像力の翼が広がってしまう・・・そんな
力をもつファンタジーです。
なかでも一番好きなのは、「泣く、ということば」。
「泣く」や「涙」という言葉を知らない、未来の人間たちのお話で。
いつか本当にそういう時代がくるかも・・・と思わされてしまうから不思議です。
この作品ですっかりロダーリファンに。
次に手にとったのは、『羊飼いの指輪〜ファンタジーの練習帳〜』。
こちらも短編集ですが、なんとお話の結末を選べます。
各お話の最後には、3つの続きが描かれ、結末を選べるんです。
そのお話に、自分がふさわしいと思う結末を。
正解、というのは特になくって。
お気に入りは、ある惑星に住むシーツの幽霊たちのお話で。
おどかしがいがなくなった、幽霊たちは違う惑星に移住しようと会議を開きます。
そこで多数決をとるのですが、「移住に賛成の人は、シーツのすそを揺らしてください!」という
くだり。
もう、本当にその場面を想像するだけで、おかしいやらかわいらしいやら・・・。
思わず笑顔になってしまうんですよ。
ファンタジーって、ただの夢物語だと思ってたけれど、違うんですね。
現実をとびこえる力を授けてくれるもの。
ロダーニ作品の美点は、教訓めいてなく、道徳的でもないところ。
主人公が罰を受けたとか、これをしたから不幸になったとか、
そういったお説教的なところがまったくないんです。
本当に小さいころに彼の作品を読んでいたら、もっと素敵な人生になっていただろうな
・・・。
大人のみなさんも、ぜひ手に取って読んでみてください。
世界観が変わりますよ。
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